日本には四季があり、それぞれの季節に風物詩があります。
今回は、日本の夏の風物詩を紹介したいと思います。
風鈴

風鈴は日本の夏を象徴するものの一つです。
軒下に吊るされた風鈴が風に吹かれ、涼しげな音色を奏でます。
日本の蒸し暑い夏に、その音色で聴く人を涼やかな気持ちにしてくれます。
風鈴の歴史は古く、起源は中国であるとされています。
その使い方は現在とは異なり、青銅で作られた風鈴は厄除けとして使われ、
日本へは仏教とともに渡来しました。
その後、江戸時代ごろから質のいいガラスが手に入るようになったことから、
『江戸風鈴』と呼ばれるガラス製の風鈴が作られるようになり、広く普及して行きました。
現在は様々な材質で作られた風鈴があり、有名なものでは、
『江戸風鈴』の他に鉄器を使った『南部風鈴』があります。
珍しいものでは、備長炭や火箸を使って作られているものもあります。
蚊取り線香

蚊取り線香は日本が世界に誇る発明品で、現在は世界中で親しまれています。
その歴史は長く、1885年に遡ります。
その年、蚊取り線香の発明者である上山英一郎氏が除虫菊の存在を知りました。
翌年、山上氏は種子を入手、栽培し、製品の開発が行われました。
そして1890年には世界初の蚊取り線香が作られました。
この時の蚊取り線香は、棒状のもので40分ほどしか燃えませんでしたが、
1902年に最大7時間も燃える渦巻状の蚊取り線香が発売されました。
蚊取り線香は、現在までほとんど変わることなく人々に使われ続けています。
燃やすための入れ物も様々な形があります。
中でも人気を誇っているのが豚の形をしたものです。
何故豚の形をしているのか定かではありませんが、
ちょっとした和みを与えてくれるような気がします。
線香花火

線香花火は日本の伝統的な花火の一つで、老若男女が楽しめる夏の夜の風物詩です。
その歴史は、江戸時代に遡ります。
当時は手持ちの吹き出し花火が主流であったため男性の遊びでした。
それを、女性や子どもも楽しめるようにと開発されたのが線香花火だったそうです。
線香花火には種類が2つあります。
西日本で主流の『スボ手牡丹』と東日本で主流の『長手牡丹』です。
『スボ手牡丹』は線香花火の原型と言われており、当時は藁に火薬を詰めたものでした。
現在は、い草や竹の先に火薬を付けたものに変わっています。
『長手牡丹』は、『スボ手牡丹』に代わって作られたと言われています。
和紙を撚って火薬を包んだこの花火は江戸で大流行をし、各地に広まって行きました。
現在、日本で販売されているほとんどの線香花火が中国製です。
しかしながら、良質な線香花火を生産している日本の職人もまだ残っています。
線香花火は、燃え方の段階によって呼び方が異なります。
蕾から牡丹、松葉、柳、散り菊と名付けられており、このような細やかさが、日本の良さを思い起こさせてくれます。
【参考サイト】
・noren japan
http://norenjapan.jp/tradition_history_culture/furin/
・KINCHO
http://www.kincho.co.jp/kaisha/ayumi/index.html
・江戸美学研究会
http://www.jlds.co.jp/ebiken/blog/2016/07/post-419.html